•  フットパス活動の記録

フットパス専門家講座 我がまちのフットパスを再認識する
2023.02.18

成瀬尾根緑地と八幡平遺跡公園から


[ 講師:高見澤 邦郎・浅黄 美彦 ]

3つの尾根を歩いて、違った眺めを楽しみました


2月18日(土) 天気:晴参加者:19名


 相模平野に向かって多くの尾根と谷戸を伸ばす多摩丘陵。そのうちの鶴川や玉川学園あたりは我が“みどりのゆび”のホームグラウンドでもあります。今回は「地元/学園・成瀬エリア」の尾根道を歩きました。学園前駅南口改札に集合後、まず「瓊宝(ぬぼこ)山本宮」へ。遙か昔、抜剣(ぬぼこ)山神社は岡山の山里にあったが社殿も祭祀も失われてしまったという。「ぬぼこ」の漢字を変えて、1933年に、開発されたばかりの学園の地に遷宮されたそうです。社殿は拝殿の奥にあり、小さいながら朱塗りの立派なもの。


竹林の参道、ぬぼこ山神宮

 お宮からさらに登ると赤瀬川原平さんの自邸兼アトリエの「ニラハウス」。路上観察学会を一緒に立ちあげた建築史家・藤森照信さんに設計を依頼し、多くの仲間も工事を手伝って完成。「ゆとりと温もりの空間創出」が評価され1997年に日本芸術大賞を受賞しました(赤瀬川さん、数年前に亡くなられ、屋根のニラポット、今はありません)。


ニラハウス 右端は薪を使った茶室

 東に成瀬駅や町田駅方面への眺めが広がる学園の尾根を少し行き、玉ちゃんバス(地元も運行に協力しているコミュニティバス)に乗車して成瀬台バス停まで、「歩き」をちょっと節約しました。
 バスを降りて東へ10分、成瀬尾根(都県境にある)に取りつく。樹林の中の緩い上り下りを南に辿ること30分、草原の吹上緑地に到着(この一帯の保整備は地元の「守る会」の皆さんが)。富士や南アは霞んで見えなかったけれど、丹沢から奥多摩への素晴らしい眺望を堪能。


玉ちゃんバスは “ハーイあっこです” 一家がデザインされている。
作者(みつはしちかこさん)が学園地域の住人だったので


尾根の成瀬緑道をのんびりと歩く、
畑もところどころに


吹上緑地で記念撮影 町田市街と丹沢の山々を背に

 10分ほど下って成瀬街道沿いの、赤瀬川さんもよく行ったという「上海公司」でランチ。美味しくて(特に豚の角煮とデザートの杏仁豆腐が)、しかも安いと皆さん大満足。ただ、ランチが長引いて、乗るはずだった1時間に1本の神奈中バスに間に合わず、恩田川沿いを歩くことに(この道はお花見の季節になると、川面に映える桜が素晴らしく、市外からも多くの人が訪れる)。


サクラの名所恩田川緑地を歩く

 バス停「熊野神社」を右に入って「稲荷山遺跡」、そして「牢場遺跡(覆屋の中に敷石住居跡が保存されている)」へ。さらに北の尾根に取りつき、急坂の住宅地を上がって「八幡平遺跡」へ。以上3つの遺跡(集落跡)は1924年から翌年にかけて発見された縄文後期のもので、国の史跡にも指定されています。八幡平遺跡は2年ほど前に公園化されていて、横浜方面への眺望がなかなかのもの。


八幡平遺跡からの眺望

 「学園尾根」、「成瀬尾根」、「高ヶ坂尾根」と三方からの眺めを楽しみ、我がまちの魅力を再認識することができました。さて、これで今日のコースはほぼ終わり。「芹ヶ谷公園」を経て町田駅まで歩き、解散。約2万歩の長いコースとなりましたが、良い天気にも恵まれたくさんの方々に参加していただき、感謝。

(文:高見澤 邦郞・浅黄 美彦 写真:田邊 博仁)

我がまちの小径の先に合った別天地


 この地域で育って四十余年。その我がまちでフットパスがあるとお聞きし参加しました。
 良く知る道を歩き、見覚えある小道に一歩、踏み入ってみたらその先は未知の別天地でした。住宅地のはざまにそっと存在する成瀬尾根。緑豊かな小道から見える宅地開発の年輪の面白さ、山吹緑地からの丹沢山系まで一望のパノラマビュー。
 まさに未知との遭遇でした。町田駅も近い八幡平の縄文遺跡から、今度は歩いてきた我がまちが見渡せる絶景。最後は子どもたちで賑わう「芹が谷公園」で解散。
 古代から現代まで人が憩う我がまちの、未知の魅力に気づかされた1日でした。

(文:渡辺 信輔)


芹が谷公園・ひだまり荘のつるし雛飾り(写真:田邊)


本日のフットパスコース図(作成:高見澤)

2023.02.18 14:01 | 固定リンク | フットパス