•  フットパス活動の記録

小野路宿
2020.10.25
陽だまりの中で、秋の里山、 小野路宿を満喫した1日!

10月25日(日) 天気:晴 参加者:11名

午前10時、集合場所の「別所」バス停には、朝から目映いばかりの陽光が降り注いでいます。この日の参加者の中で、この陽光を浴びて一際輝いていたのが、東京農工大学の現役大学生・四宮さん。次代の「みどりのゆび」、そしてフットパス界を担う期待のホープです。



木漏れ日を浴びて・・・。右端が四宮さん

若い力が加わり、この日のウォーキングは活気 に満ちたスタートとなりました。マップ改訂を意
識し、道標のチェック等をしつつも、秋の陽だま りの中、里山の樹木と新鮮な空気に包まれて、会 話が弾み、心身ともにリフレッシュしていくのを 感じます。



秋の陽光の中、ウォーキングスタート

のどかな農村風景が楽しめる谷戸沿いの道は、石 垣と手入れされた生け垣の調和が美しく、いつも ながら地元の方々の生活意識の高さが伺えます。



石垣と手入れされた生け垣が見事

さらに進んで、眼前に広がる里山と畑が織りな す美しい景観は、まさに、これが「ザ・里山」と 思えるほどです。ここが東京都であることを忘れ てしまいそうでした。


里山の原風景が色濃く残る「秋の小野路」


上の写真は、一昨年10月に撮影したものではあり ますが、このような里山の原風景は、小野路宿で は珍しいものではありません。随所で見られます。
2020.10.25 00:00 | 固定リンク | 未分類
「にほんの里山100選」小野路をもっと 知ってもらいたい
2020.10.25
当日は、朝から絶好のウォーキング日和となり、 春からのコロナ禍で巣ごもり状態が続いていた私 には、ストレスから開放される久しぶりのウォー キングとなりました。
真光寺から続く布田道の途中にある我が家から、 集合場所の「別所」バス停までは徒歩3分です。

11名の仲間が集合。神谷さんからはコロナ対応 としてマスク着用、3密回避の注意があって出発 です。バス停から布田道を歩き、大久保の分岐点 に到着。布田道を左手に進むと関谷の切り通しへ と続きますが、私たちは右手にあった妙桜寺方面 への案内板(手入れが必要)方向へ。なだらかな 斜面を登って行くとお馴染みのムクロジの大木が 右手に。左手、一面の広い畑が広がる後方には紅 葉が始まった多摩丘陵が連なる絶景を堪能できま した。

のどかな里山風景が続く一帯を更に歩くと、恵 泉女子大学の広い教習農場が現れました。近くの 畑に旧知の農家さんがおられたので、しばし雑談。 お元気そうでなによりでした。

妙桜寺の手前に到着。ここから左手の雑木林の 中のでこぼこ道に入ります。鎌倉古道と並走して いるこの道の、落ち葉の絨毯を踏みしめて下って いくと、恵泉女子大学管理の田んぼに出ます。こ こでは春の田植え、秋の稲刈り、餅つきなどが年 中行事として学生と地域の人々の共同により継続 されており、私も楽しみに参加しています。

さて散策ですが、大犬久保の分岐点から続く布 田道に出て関谷の切り通しへ向かいます。この辺 りの里山も昔の面影が残り、造成された少年野球 のグラウンドだけが目新しい。切り通しは両側か ら大木や延びた竹が道路を覆い、崖からは木の根 がはびこり、今にも崩れ落ちそうでいながら、周 囲から護られているような安心感に包まれます。

今から六十年以上も前ですが、幼少の頃、この 先に母の実家があり、何度も通った道が当時とま ったく変わらず残っていることは驚きでした。そ の頃は、歴史上重要な古道であったことなど知る 由もありませんでしたが。

この後「小野路宿里山交流館」まで歩き、「小野 路うどん」の定食をいただきました。地元に古く から伝承されている郷土料理で、わたしにとって は懐かしい母の味でもあります。昼食後、多摩市 の一本杉公園まで歩き、園内の古民家の縁側で一 休み、解散となりました。

町田市の北部丘陵に位置する小野路。わたしはこの地で農家の長女として生まれました。結婚を機に東京都心に移り住みましたが、十年前、夫の定年と同時に当初からの希望どおり戻って来ました。今では先祖から受け継いだ畑で、野菜づくりなどを楽しみながら暮らしています。この懐かしい土地が「にほんの里山100選」に選ばれ、程なく里山交流館が開設されたことにより、小野路の誇るべき里山風景を愛する多くの方が散策に訪れてくださることを願っています。
(松尾 加代子)



秋の実りの柿を収穫


みどりのゆび管理里山にて
2020.10.25 00:00 | 固定リンク | 未分類
「大和泉の森」観察会
2020.10.05
山田先生による「大和泉の森」観察会
講師:日本植物学会副会長山田隆彦



コロナの自粛期間は、悪いことばかりではなかったかもしれません。家の周りを散歩したり、今まで気づかなかった雑草にきれいな花を見つけたり、名前が知りたくなったりしませんでしたか?
そこで、ネットで連絡できる有志で、“スミレ博士”こと山田隆彦先生に「大和泉の森」の自然観察会に連れて行っていただきました。もちろんソーシャルディスタンスは心がけて。井上、鈴木、宇佐見、佐藤、横山、神谷の6名が参加しました。


大和に、しかも小田急線大和の駅近に大きな森があるのは驚きでした。泉の森は、相模湾に注ぐ引地川の源である大和水源地を中心に広がる、大和市の自然の核となっている公園。樹林地と水辺空間が特色ある生態系を形づくり、約900種の植物が年間を通じて約50種の野鳥をはじめ、生き物たちと生息しやすい環境を育んでいます。
この水源を守るために保全されたクヌギ、コナラなどの雑木林、また、相模野台地の昔の景観を今に残す県指定天然記念物「しらかし林」やスギ、ヒノキの針葉樹林の林床には、山野草などの植物が季節を謳歌しています。木漏れ日を受けて咲く自生のキツリフネ、ウバユリ、ヤブミョウガの群生がとりわけ印象的でした。
山野草園では朱赤のフシグロセンノウ、キツネノカミソリを見つけて大騒ぎ、濃厚な香りの向こうには華麗なヤマユリが。またオニユリやタマアジサイなど、夏の花々が暑さを一瞬忘れさせてくれるひと時です。
泉の森には自然観察センターやキャンプ場など、さまざまな施設があります。中でも湿生植物園をまたぐように架かった「緑のかけ橋」からは、約42haという広大な園内が一望のもとに。秋口には真っ赤なヒガンバナが群生するという。樹林帯と水辺空間も一体にして、どんな景観を展開するのか、今から楽しみです。





(横山禎子)




集合写真だからマスクは外そうか。いえ外さない


山田先生は「3密対策」にマイクの配慮


水車小屋が水辺の景観に貢献


「しらかしの池」にはカワセミの姿も


ヤブミョウガの群生が林床を照らす


ツボミが球のようだからタマアジサイ


強い日射しを跳ね返すオニユリ



遠くからでも香るヤマユリ


キツネノカミソリの名の由来は?


キツリフネの自生が広がる


ウバユリの群生は幻想的


「緑のかけ橋」を背にミソハギが

2020.10.05 10:58 | 固定リンク | 未分類
小野路城址
2020.10.04
昔ながらの谷戸田や小野路城址など史跡を巡る

10月4日(日)天気:晴 参加者 : 8名
散策ガイドマップ『多摩丘陵FootPath 1』によると、小野路城コースは「多摩丘陵の中でも今では少なくなった昔ながらの谷戸田の風景が残り、丘陵の中に緑のスポットライトを浴びたような農地と石仏が存在する地域・・・・」とある。このエリアの南部は東京都歴史環境保全地域に指定されているという。

さて、当日は「小野路」バス停からスタート。 今は使われてないらしい野菜直売所脇の谷沿いの 道は、いきなりの濃い緑が続く。ヤブミョウガが 実を付け始めていて、細長い葉が木漏れ日を受け て光っている。
雑木林を進むと左上方向から牛ののどかな鳴き声が聞こえる。ここには萩生田牧場の牛小屋がある。さらに進んで、クヌギの大木の前で右折。先ほどの雑木林を今度は下から見上げることになる。この辺りの雑木林も、以前は美しく手入れされていたというが、今はかなり荒れているようで残念。途中、「お化けホオノキ」の逞しい姿に出合って
初夏の大きな白い花と葉が目に浮かぶ。この先、いささか劣化してはいたが道標に導かれて左折する。
目の前に開けた黄金色の豊かな稲穂が実った田圃を眺めながら、谷戸沿いののどかな道を進む。色づき始めた対岸の雑木や、まだ緑濃い畦道に土手を彩る真っ赤なヒガンバナが鮮やかなコントラストを見せて、用水路の水音がコトコト響く。道端の湿地帯にはガマノホや濃いピンクのツリフネソウの群落、今ではあまり見かけなくなったタコノアシなど、豊かな植物群や野鳥が目を楽しませてくれる。


帆を吊り下げた形の ツリフネソウ

絶滅が危惧される タコノアシ

ここは「奈良ばい」と呼ばれるエリア。炭焼き 小屋があったり、季節には稲藁の「藁ぼっち」が 並んで田舎の原風景を思わせる。このような奈良 ばい谷戸の里山再生活動は2005年から「NPOま ちだ結(ゆい)の里」が市民の協力を得て続けて いるという。この谷戸の先端を上がった丘は鎌倉 時代に小山田氏支配の小野路城があったと伝えら れ、奈良ばい谷戸は小山田城との重要な道路とな っていたといわれている。ちなみに、この「なら ばい」という名前は、この道を行き来する武士た ちがだらだらと歩いているので「並べー」と号令 をかけたのが由来とか。
「さあ、お昼にしましょう」。「小野路」バス停 を出発して、ちょうど2時間がたっていた。



奈良ばい谷戸の炭焼き小屋 切り出した木で焼いていた頃の面影が


奈良ばい谷戸でランチタイム。対岸にはホオノキが目立つ

野菜畑の畦道に昔懐かしい風情で咲くキクやケ イトウの花が目を楽しませてくれる小径を歩いて バス通りに出たら、多摩丘陵病院方向に進む。マ ップ上では、東谷戸に向かうべく右折する手前に あったはずの園芸店は、住宅に変わっていた。

泉蔵寺・町田霊園の道から東谷戸へ。広々とし た谷戸に黄金色に色付き始めた田圃が残るのどか な道。奥に残る畑を過ぎると雑木林沿いの上りと なり、浸食された道の右側高みを上る。

浅間神社からの道に出ると、サクラの大木があ り、その下には畑が広がっている。雑木を整理し て見通しのよい道になり、東方面の眺望も楽しめ る。この先でスタートした「小野路」バス停から の道に出合い、正面には畑や丘陵の景観が見渡せ る。ここからは人家や畑、浅い切り通しを過ぎ、 往路をしばらくは戻ることになる。


広々とした東谷戸には田園や畑が残る

「図師・小野路歴史環境保全地域」の看板が 立つ分岐の小山は「小野路城址」。現在の小野路 城趾には、城山天王様の小さな祠が立っているが
、往時の名残は見るべくもない。風に枝を鳴らす 松の木は知っているだろうか
小山の下には「小町井戸」が。眼病を患った小 野小町がこの水で養生したらご利益があったとい う伝説がある。水量はわずかだが、この湧き水は 枯れたことがないという。

この先の道祖神のあるT字路には「図師・小野 路歴史環境保全地区」の管理組合事務所がある。 地元の人たちが谷戸や雑木林の保全管理を実践し ているという。作家・開高 健が、なにかのインタ ビューで「文明国であるほど自然がある」という ような意味のことを言っていたが、私たちは民度 を試されているのかもしれない。

ここからはどこか懐かしい田舎道を万松寺まで 下る。左に上がったスダジイの林の下には六地蔵 がもう1体を加えて並んでいる。時にはマスクを 掛けたりしていて、人が関わる様子が伝わってき て胸が温かくなる。この後は小野篁縁の小野神社、 小野路宿里山交流館でコースを終了した。

終了間際、古くからの地域の農家、小林家を久 しぶりに訪ねてみる。高齢のおかみさんも元気そ うで安心。ちょうど収穫した栗を茹でているとこ ろだからと、たくさんいただく。フットパスは地 域の人々との繋がりも築いてくれるようだ。
(横山禎子)

2020.10.04 00:00 | 固定リンク | 未分類