•  フットパス活動の記録

他のまちのフットパスをみてみよう桜の渋沢丘陵と丹沢の雄大な景色を楽しむ
2024.03.31
他のまちのフットパスをみてみよう桜の渋沢丘陵と丹沢の雄大な景色を楽しむ
[ 講師:田邊 博仁 ]

秦野の桜と湧水群、自然の神秘な「震生湖」と「渋沢丘陵」を歩く
3月31日(日) 天気:晴参加者:21名


 丹沢山地と渋沢丘陵に囲まれた秦野は、神奈川県唯一の典型的な盆地であり、地下は「天然の水がめ(約7億5千万トン、芦ノ湖の水量の約4.1倍)」となり、多くの湧水が見られます。この「秦野盆地湧水群」は「昭和の名水百選(昭和60年)」に選定され、また、地下水をボトリングした「おいしい秦野の水」が「おいしさが素晴らしい名水部門」で全国1位(平成28年)に選ばれました。
 秦野駅から、まず、有名な伝説の残る「弘法の清水」を訪ねました。古代から利用されてきましたが、1989 年に地下水汚染が報道され、秦野市は国内初の地下水汚染防止条例を制定、改善に取り組みます。2004年には、環境基準を恒常的に下回ったことで「名水復活宣言」を遂げ、今年で20周年を迎えました。


古代から利用されてきた「弘法の清水」と復活宣言の碑

 次に「室川」を訪ねました。秦野盆地湧水群は盆地南東の渋沢断層のこの室川付近に集中しています。約4万年前の渋沢丘陵(大磯丘陵)の隆起によって、南に向かって流れていた室川は、現在の東へ流れを変えました。
 次に「今泉名水桜公園」を訪ねました。桜と名水をコンセプトとした公園の基本構想は、建築家の安藤忠雄氏によるものです。ほぼ一年を通して桜を楽しめるように開花時期の異なる18種類の桜が植えられています。今回は早咲きのコヒガンザクラが咲いていました。


渋沢丘陵の隆起によって流れが規制された「室川」


「今泉名水桜公園」にて、コヒガンザクラ前で

 次に「まいまいの泉」を訪ねました。ここは地下水の監視用に掘られた井戸を利用して、地下20mから地下水を自噴させています。持参した紙コップで試飲を。私はコーヒー用にペットボトルに詰めました、多くの市民に利用されています。


公共の水場、形状がカタツムリに似ている「まいまい泉」

 次は「白笹稲荷神社」です。赤色の大きな鳥居があり、「関東三大稲荷」の一つです。拝殿の天井絵は圧巻でした。格天井150枚の竜神様、風水四神など見ごたえがありました。
 「震生湖入口」交差点から畑道を登っていくと、周囲にさえぎるものが全くなく、秦野市街が一望。そして、丹沢の山並みを真正面に見ることのできる雄大な景色が広がります。


雄大な丹沢山地の眺望を楽しむ

 尾根道からの眺望を楽しみながら、「震生湖」へ下ります。関東大震災で誕生した湖です。地滑りの起こった跡を見て、震生湖畔で昼食タイムです。2021年に文化庁の国登録記念物に登録された記念碑が立ち、地形図や写真も掲載されています。


震生湖、桜が咲き出しました

 震生湖から渋沢丘陵の尾根道を歩きました。標高200m程度のなだらかな丘陵です。渋沢丘陵を下り渋沢駅へ向かう途中で、早咲きのソメイヨシノに、「やっと!」出合え、みなさまから、感嘆の声が。テーマの“桜の渋沢丘陵”がご覧いただけてほっといたしました。


最後に、“桜の渋沢丘陵“に、出合えました

(文と写真:田邊 博仁)

フットパス・渋沢丘陵に参加して、「最後に驚きのフィナーレが」

 昨年春から町田市の「里山ウォーキング」に参加して、会員の横山さんから「みどりのゆび」を紹介され、今回は田邊さんの「かつての野麦峠(11/30)」以来の2回目参加でした。
 3月31日は例年なら関東では桜の満開の時期、まして日曜日なので賑わっているはずでしたが、 今年は開花が非常に遅れていました。
 秦野市はたばこの栽培が盛んと聞いていましたが、名水百選「秦野盆地湧水群」が制定されて市内各地に湧き出ていることを知り驚きました。
「弘法の清水」など湧水スポットを巡り、おいしさ部門全国1位に選ばれたというボトルドウォーター「おいしい秦野の水~」を味わうこともできました。
 昨年が、発生から100年の節目だった関東大震災で滑落した土砂が川を堰き止めて誕生したという「震生湖」。寺田虎彦の句碑と「地震の規模の大きさを伝える貴重な地質遺産」と書かれた案内文に納得。
 県道沿いの長さ6キロ以上に続く桜並木「はだの桜みち」は、まだつぼみでしたが高いところから俯瞰して見ると、長い桜のアーチが想像できました。機会があったら、満開の時期に来てみたい。
 まもなくゴールとなる渋沢駅少し手前に驚きのフィナーレが隠されていました。満開のソメイヨシノに巡り合ったのでした。参加者の歓声が上がりました。桜吹雪も体感でき大満足のフットパスでした。巧みな演出をしていただいた講師の田邊さんありがとうございました。


大山と桜


満開の桜

(文と写真:香丸 宏)



2024.03.31 16:45 | 固定リンク | フットパス
桜の渋沢丘陵と丹沢の雄大な景色を楽しむ
2024.03.31
【秦野の湧水群、神秘な震生湖、丹沢の雄大な景色を楽しむ】

みどりのゆびフットパス(3/31)の報告です。昨年、「紅葉の渋沢丘陵」が雨で中止、リベンジで「桜の渋沢丘陵」と3月31日ならと企画。今年の異常な桜開花遅れで残念でしたが、最後に満開の桜に出会えて、ホッとしました。


「はだの水」は「おいしさが素晴らしい名水部門」 第1位(2015)に選ばれています。その秘密は「丹沢山地」の形成と「秦野水盆」と言われる秦野盆地の地形にあります。秦野駅から「弘法の清水」、「寿徳院の湧水」、「今泉名水公園」、「まいまいの泉」と湧水群を巡り。





雄大な秦野盆地と丹沢山地の眺望を見ながら、



「震生湖」へ、そして、「渋沢丘陵」をご案内しました。





ペットボトルで持ち帰った「はだの水」でいれたモーニングコーヒは、まろやかでおいしく、納得しました。(田邊博仁)
2024.03.31 10:00 | 固定リンク | フットパス
【緑地管理報告 3/17(日)】
2024.03.17
2024年3月17日(日) 1000~1200 晴れ 17~19℃
参加者: 合計 11名

今日の竹林整備作業は、2/5の降雪による倒木の処理、復旧を行いました。
11名皆で頑張った結果、広場を埋め尽くしていた折れ枝を片付けることが出来ました。
先ずは、作業時やタケノコを掘る時の休憩場所が確保されて一安心です。


1) 竹林広場の折枝整理
町田市の公園緑地課に処理を依頼。広場から下段への通路アクセス部の
大きな折枝下部を切断処理してくれたが、広場全体を覆う葉付き枝は、
そのまま残されたので、我々が少しずつカットし整理した。
また、広場直ぐ上で、上部への登路を塞ぐ葉付き枝は、先端をカットし迂回出来るようにした。
これにより、上部でタケノコを掘ったり、広場で休憩することがし易くなった。

2) 崖下の広場の状況
町田市は、下段で大枝下部をカットし通れるようにしてくれたり、巻き込んで倒された
モウソウチクを切って脇に運んで整理してくれていた。
しかし、長く太く硬い枝4本がそのまま横たわっているため、引き続きの対応を
依頼していく。

復旧前


本日の作業後
2024.03.17 22:52 | 固定リンク | 緑地管理
他のまちのフットパスをみてみよう 多摩丘陵の成り立ちを探るコースを歩く
2024.03.02
他のまちのフットパスをみてみよう 多摩丘陵の成り立ちを探るコースを歩く
[ 講師: 小林 道正]

崖の石と植物を手がかりにして
3月2日(土) 天気:晴 参加者:18名

多摩丘陵は東京都と神奈川県の境界部の範囲で、高尾山の麓から南東方向に広がっています。
 「NPOみどりのゆび」が活動している小野路は多摩丘陵のほぼ真ん中にあたります。多摩丘陵の北端には多摩川と浅川が、南側には境川や鶴見川が流れています。


多摩丘陵の位置(東京都公園協会HPから)

<コース紹介>
京王線「南平」駅を出発して浅川の堤防を歩き、「都立平山城址公園」の中を通って、「東京薬科大学」までの道のり約4km、高低差100mを歩きます。


コースマップ

①京王線南平駅を出発します。
②浅川の土手を上流に向かって歩きます。
 正面(西の方)に富士山や高尾山が見えます。浅川の対岸(北の方)には日野台地の平らな高台が広がっています。南側には木々に覆われた多摩丘陵があり、起伏に富んだ地形です。日野台地は約15万年前に浅川や多摩川の堆積物で造られ、多摩丘陵は約200万年から70万年前にかけて相模川の堆積物で形成されています。
③浅川の河原の石を観察します。
 河原の石は、浅川の上流から流れてきたもので、コロコロ転がって角が削られて丸くなっています。種類は泥岩、砂岩、チャート、礫岩などの堆積岩です。
 川の水が流れているところに岩盤が露出していて、砂と泥の地層があります。この地層から貝の化石が見つかるのですが、半年前の台風で埋まってしまい、現在は採集することができません。貝の化石はホタテ貝の仲間です。この貝の化石が見つかることから、この地層が堆積したのは、冷たい水温の海だったことが推定できます。


浅川の岩盤の地層と貝の化石

 今回は河原を見渡すとたくさんの草花が咲いていたので、ドライフラワーの植物標本づくりを行いました。準備した物は粉末状のシリカゲルと管ビンで簡単にできます。草花を管ビンの中に入れ、シリカゲルを充填します。2~3日後にシリカゲルを取り出せば完成です。


ドライフラワーの植物標本づくり

専用オイルを充填すればハーバリウムにできます。


春の草花の植物標本作品例

④京王線「平山城址公園」駅前で休憩です。
 駅前の広場には源平合戦で活躍した平山季重の館跡の説明板と石碑があり、「日野市立平山図書館」では詳しい資料を見ることができます。
 旧北野街道には「子育て地蔵」や「馬頭観音」が大切に保存されています。昭和の初めころには「武蔵野カントリークラブ」や「鮫陵源」などの娯楽施設があって、京王線を利用した多くの人々で賑わっていたそうです。
④から⑦までは坂道が続きます。高低差100mくらいありますのでゆっくり頑張って歩きましょう。
⑤多摩丘陵の崖を観察します。
 今回のコースの重要ポイントです。高さが10m以上の表面がゴツゴツした崖が見えてきます。表面のゴツゴツした様子を双眼鏡で観察すると丸い石が堆積しているものだと分かります。この石の形は③の浅川で観察した石と同じです。このことから多摩丘陵は水の働きで運ばれてきたものが堆積していることが分かります。
 石の種類は泥岩、砂岩、チャート、礫岩などの堆積岩の他に、結晶質緑色凝灰岩、花崗閃緑岩などの火成岩も含まれています。これらの火成岩は
③の浅川にはありませんでした。多摩川の上流にもありません。では、どこから流れて来たのでしょうか。答えは丹沢山地です。つまり、この崖の石は丹沢山地から流されて来たものだったのです。




多摩丘陵の崖と礫層

 丹沢山地の石を運んできた川はどこにあるのでしょうか。それは相模川です。昔の相模川は東の方へ流れていましたが、今は流れが変わって南の方になってしまったというわけです。
 多摩丘陵は丹沢山地の石を相模川が運んできたことが分かりました。とても長い時間と大きな力が働いてきたことを想像してみましょう。
⑥⑦タマノカンアオイを見つけます。
 相模川が流れていたという、もうひとつの手がかりがあります。植物のタマノカンアオイとカントウカンアオイの分布です。タマノカンアオイは多摩丘陵に分布し、カントウカンアオイは浅川の北側に分布しています。その理由は「もともとカントウカンアオイは青梅から八王子や町田にかけて全域に分布していたところ、相模川がカントウカンアオイを押し流し消滅させ、その跡にタマノカンアオイが入ってきて現在に至っている。」という推論です。


タマノカンアオイ

⑧「東京薬科大学附属薬用植物園」を見学します。
 薬用植物園としては東京都内で最大の規模だそうです。


セリバオウレンの花のいろいろ

⑨⑩東京薬科大学バス停から、京王線平山城址公園駅または京王線京王堀之内駅へ行くことができます。
(文と写真:小林 道正)

2024.03.02 22:17 | 固定リンク | フットパス