•  フットパス活動の記録

フットパス専門家講座
2023.06.25
古代の史跡を訪ね、国分寺崖線の水と緑を楽しむ

[ 講師:髙見澤 邦郞 ]

梅雨の合間の青空に、
僧尼寺&国府の跡をむすんだ一日


6月25日 (日)天気:晴参加者:19名


 集合地の西国分寺駅南口一帯は戦時中に国策で、東芝など工場勤務者用の木造長屋建て<営団住宅>が建てられ、戦後も住まわれていました。老朽化の中で30年ほど前に、交通広場や集合住宅群として再開発の実施へ。また府中街道を隔て、その東側には広大な敷地の<鉄道学園>がありましたが、国鉄の民営化に伴って東京都等に売却され、住宅団地や都立多摩図書館、国分寺市役所(建設中)などに変貌。私(高見澤)もその頃、市のマスタープラン作成を手伝っていたので思い出のある場所です。といったことを駅前で説明後、鉄道学園跡地の大半を占める「都立武蔵国分寺公園」へ。公園の整備中に発掘されたのが8世紀頃につくられた<東山道武蔵路跡>。東山道は近江から陸奥まで800キロほどにわたる官道で、関東では今の群馬・栃木のあたりを東西に通っていました。その足利あたりから武蔵国の国府を目指して80キロほど、南に向かって一直線に12メートルの幅で設けられたのが「武蔵路」。我々も、保存された路の跡を歩いてみました。


鉄道学園時代の桜が武蔵路の中央に
それにしても幅12メートルは広い


発掘時の展示施設の前で一枚

 広大な公園の南側は国分寺崖線に続き、その小径を下ると湧き水の溢れる「真姿の池」や「お鷹の路」に。日曜日なので家族連れで賑わっていました。


自然の中の小径


豊かな湧水

 代々国分寺村の名主だった本多家の敷地と建物が昭和の時代に市に寄付されています。敷地内に整備された<武蔵国分寺跡資料館>を見学。古代のこの一帯の模型や出土した瓦など多くの展示がありました。そのすぐ西にある現在の「国分寺」は江戸時代の建立とされていて、立派な楼門・仁王門・薬師堂などがあります。


旧本多家長屋門の前で記念撮影

 次いで「史跡武蔵国分寺跡・国分寺尼寺跡」へ。この両寺は天平の頃(8世紀なかば)、聖武天皇の詔で建立された全国60ヶ所とされるもののうちの一つです。その後鎌倉時代後期に、新田義貞による分倍河原の戦いに巻き込まれ焼失、以後再建はならなかったとされています。当時の礎石などは以前からよく知られていましたが、近年、調査研究や公園的な整備が進み、見学ができるようになりました。


のびやかな武蔵国分寺・尼寺跡。両寺の間は府中に至る
12メートル幅の<武蔵路>で隔てられていた

 さて尼寺跡から府中街道へ戻り、バスに乗車して10分少々で府中駅に到着。京王線と南北に交差するのが<馬場大門の欅並木>です。徳川家康が馬駆けの二条の道(馬場)とケヤキの並木を大國霊神社に寄進したのが始まりとされています。大正13年に国の天然記念物に指定されましたが、往事には60本以上あった幹周り3メートル以上の古木も、近年のビル化や車の増加で枯れるものも増え、その維持保全に市とボランティア団体が奮闘しているようです。さてここで1時間後に再集合ということにし、ランチタイム。


強い日差しをケヤキの並木が遮ってくれて
一休みする人たちも・・・

 午後は最後の見学。くらやみ祭りで有名な大國霊神社に参拝。そして、発掘調査で分かってきた武蔵国の国衙(こくが/東京都庁のようなもの)と国司館(こくしのやかた/10年程前に廃止された旧東京都知事公館のようなもの)の様子を展示する施設を見て日程を終了。


武蔵国の国衙と国司館の様子を勉強しました

 南武線・武蔵野線の府中本町駅で2時半に解散しました。
 暑い中の約8キロメートル、初めての方も含め多くの皆さんに参加していただきありがとうございました。
(文:髙見澤 邦郞写真:田邊 博仁)

1300年前の遺跡と今日の出来事


 「東山道武蔵路跡」を経由し「国分寺・国分尼寺跡」を見学。その後府中に移動し、「史跡大國魂神社・武蔵国府跡」など約1300年前の史跡に触れる半日でした。いずれも規模が大きく朝廷の意気込みと、当時いかに疫病や天候不順による農作物の不作などに悩まされていたかが感じられました。よくこれらが今も残っているなと感心しました。又公園もよく整備されていてさすが都立。このまま残ってほしいものです。


 ランチタイムにびっくりなことに遭遇。一緒に参加した伊藤さんと昼食にと行ったカレー屋さんの券売機でのこと。一人の大柄な外国人の先客。よく見るとなんとラグビー日本代表キャプテンだった(今もかもしれませんが)リーチマイケルその人だったのです。ここで関西人のおばちゃんなら“マイケル元気”などと話しかけるのかもしれませんが、関東に住んでいるものとしては遠慮して声もかけられず、もちろん写真を一緒に撮るなんて勇気も出ずに無言で待っていると、先にどうぞとばかりに譲ってくれました。その後携帯で連絡を取っていたので家族から持ち帰りを頼まれていたようです。ちなみにマイケルは東芝府中の所属(今はどうか?)なので、この辺りで遭っても何の不思議もありません。私も伊藤さんも身長は180cm近く(今は年齢と共に低くなっていますが)。けっして低い方ではないのですが、さすがにマイケルがでかい。胸板の厚みはすごいの一言。勇気を出していればここに一緒に撮った写真を掲載できるのに。皆さん、こういう時には勇気を出しましょう。
 ところで先を譲ってもらった券売機でカレー券を買ったら、それがなんと弁当券になっていました。私はそれを押した記憶は全くないので、多分マイケルが押していたのが残っていたのではないかと思います。
 もちろん店員に話して店内で食べました。弁当なのでウエットティッシュ付。この件で伊藤さんとの会話も弾み、実に楽しいランチとなりました。
(文;鈴木 弘)
2023.06.25 22:41 | 固定リンク | フットパス