•  フットパス活動の記録

多摩丘陵フットパス 小野路のサクラを見に行こう
2021.03.28
多摩丘陵フットパス 小野路のサクラを見に行こう
[講師:田邊 博仁]

里山に溶け込む サクラの盛りを堪能
3月28日(日) 天気:曇(一時小雨) 参加者:4名

毎年恒例、今年の「小野路の春の里山巡り」は、 サクラ開花が異常に早かったこともあり、予定よ り1週間早めて行われました。あいにくの天気予 報で、参加者は少なめでしたが、昼前後に一時小 雨に降られたものの、小野路のサクラを楽しむに は、そう差し支えなく、予想以上に充実した一日 となりました。


花々に彩られた小野路「春の景観」

別所バス停に集合後、鎌倉街道東側の布田道を 上ると、斜面の畑には薄ピンクのコヒガンザクラ や黄色い菜の花が広がり、早くも春のワクワク感 いっぱい。山道を進む足取りも軽やか、参加者の 会話も弾みます。


斜面の畑に広がるコヒガンザクラ

小野路給水所を経て尾根道に出ると、小野路宿 方面の穏やかな眺望が広がります。


東光寺へ向かう尾根道から

ご本尊様は源範頼の守り本尊という、名刹「東 光寺」に着くと、墓苑全体がソメイヨシノで覆わ れ、思わず感嘆の声が漏れました。


東光寺のサクラ、今まさに満開

いったん別所バス停に戻り、昼食後、鎌倉街道 西側の小野路宿方面へ。ムクロジの大木や恵泉女 学園実習農場等を経て、「一本杉公園」方面へ向 かいました。


しっとりした空気感、春の里山


タチツボスミレ


一本杉公園近く、「桜のトンネル」


その後、里山交流館付近を経て、小野路城趾方面 へ向かいましたが、城趾に到着したところで、


小野路城趾


道祖神

急遽予定変更することに。この日の講師・田邊さ んの発案で、五反田谷戸の樹齢200年のヤマザク ラ、「畦桜」を見に行こう、ということになりま した。咲き具合はどうか、やや心配しながらの五反田谷戸までの道のりでしたが、山の斜面を下りて、目の前が開けた瞬間、ちょうど見頃の「畦桜」の勇壮な姿がありました。口々に「やったー」という声が上がりました。
東京都で唯一、「にほんの里100選」に選ばれている「小野路」。五反田谷戸の「畦桜」は、藤沢周平原作の映画「蝉しぐれ」に映し出されるシーンがあるそうです。


五反田谷戸の「畦桜」


映画「蝉しぐれ」ロケ地にもなった景観


太い幹は樹齢200年の重み

斜面を登ったり、下りたり、畦道を行ったり来 たり、各自が写真撮影に夢中になっていました。 五反田谷戸の美しい景観と「畦桜」の勇壮な姿、
1日の終わりにあまりの充実感、心が満たされて いくのが実感できました。全行程を終えて、鶴川 駅行バス停まで最後の車道歩きも苦にならず、満 足感いっぱいの1日を終えることができました。
(文と写真:宇佐美 均)

小野路のヤブザクラ

毎春、小野路のサクラ・ウォークをご案内して いますが、今年は、桜の開花時期が早まり、お見 せしたかったヤブザクラは,見ごろを過ぎ,散り始 めていました。逆に、なかなか満開の時に出合え ない五反田谷戸の老桜、ヤマザクラの「畔桜」は, 満開で、健在ぶりが確認できました。

ヤブザクラは桜の仲間で最も花が小さいマメザ クラとエドヒガンの推定自然雑種です。多摩丘陵 地域に限られ、小野路では、別所と小野路城址で も、見ることができます。低木で下向きに咲く可 愛らしい桜の花です。


ヤブザクラは子房の部分がぷっくりとふくらんでいる


五反田の丘陵地のヤブザクラ


小野路城址のヤブザクラ

(文と写真:田邊 博仁)